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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科55巻4号

2001年04月発行

文献概要

特集 第54回日本臨床眼科学会講演集(2) 原著

アトピー性皮膚炎に伴った子午線方向の巨大な裂孔を呈した網膜剥離の1例

著者: 千原秀美1 矢部比呂夫1 西山功一1

所属機関: 1東邦大学医学部眼科学第二講座

ページ範囲:P.599 - P.602

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 子午線方向の巨大な裂孔を呈したアトピー性皮膚炎に伴う扁平な網膜剥離の稀少な15歳男性の症例を経験した。原因裂孔は3時方向鋸状縁から上耳側血管アーケードにかけて子午線方向に位置しており,同方向に一致して水晶体混濁とチン小帯断裂が認められた。裂孔は経毛様体硝子体切除術と冷凍凝固により閉鎖し,術後8か月経過した後も網膜は復位している。アトピー性皮膚炎に伴う網膜剥離の報告は数多くあるが,その発生機序は明らかではない。本症例における局所的な水晶体混濁とチン小帯断裂の存在は,アトピー性皮膚炎における網膜裂孔の発症原因として機械的損傷との関わりを強く示唆するのと思れる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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