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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科55巻4号

2001年04月発行

文献概要

特集 第54回日本臨床眼科学会講演集(2) 原著

輪状暗点が拡大した症例における読書能力の変化

著者: 中村仁美12 小田浩一1 湯澤美都子2

所属機関: 1東京女子大学現代文化学部コミュニケーション学科 2駿河台日本大学病院眼科

ページ範囲:P.607 - P.610

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 網膜色素変性症の50歳男性の左眼について,読書チャートMNREAD-Jによる読書評価を行った。左眼視力は0.7で,視野の中心部に直径4度を残した9度の輪状暗点があった。読書能力に文字サイズの違いによる2つのピークがあった。15か月後に視力は0.5に低下し,中心視野は直径1度に狭窄したが,輪状暗点の外方の視野には変化がなかった。このとき小さな文字に対する読書能力が低下したが,大きな文字での読書能力には変化がなかった。輪状暗点があるロービジョンでは,中心視野を使って小さな文字を読む状態と,暗点の外側の視野を使って大きな文字を読む状態の2つがあることを,この事例は示している。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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