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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科55巻4号

2001年04月発行

特集 第54回日本臨床眼科学会講演集(2)

原著

ポリープ状脈絡膜血管症の中心窩病変と視力予後の比較

著者: 纐纈美歌1 黒岩さち子1 立岩尚1 春日勇三1 吉村長久1

所属機関: 1信州大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.611 - P.615

文献概要

 ポリープ状脈絡膜血管症(polypoidal choroidal vasculopathy:PCV)の中心窩病変を中心窩下異常血管網群(n=12)と中心窩下ポリープ状拡張血管群(n=14)に分類,視力予後を比較した。異常血管網群では滲出性病変の悪化によりlogMAR視力でO.2以上視力低下が進行した2眼(17%)と,中心窩にかかる滲出性病変の悪化は認められないにもかかわらず徐々に視力低下が進行した3眼(25%)を経験した。後者は異常血管網上の網膜色素上皮の萎縮が進行していた。ポリープ状拡張血管群では9眼(64%)が滲出性病変の悪化が原因で視力低下をきたした。PCVの視力低下の主な原因は滲出性病変の悪化であるが,中心窩下に広がる異常血管網上の網膜色素上皮の萎縮も視力低下の原因として重要である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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