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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科55巻4号

2001年04月発行

文献概要

特集 第54回日本臨床眼科学会講演集(2) 原著

放射線治療が著効した白血病視神経浸潤の造影所見

著者: 松原明久1 小島麻由1 尾関年則1 小椋祐一郎1

所属機関: 1名古屋市立大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.617 - P.621

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 33歳男性が両眼の視力低下で受診した。8か月前に慢性骨髄性白血病と診断され加療中であった。矯正視力は左右とも0.09であった。白血病に対する薬物治療により,6週後に視力は回復した。さらに5か月後に左眼視力が0.1に低下した。左眼眼底に,顕著な乳頭腫脹,乳頭周囲の隆起性病変,漿液性網膜剥離があった。白血病の視神経浸潤と診断した。総量46Gyの放射線照射で眼底病変は寛解した。フルオレセイン蛍光造影で,乳頭周囲にあった毛細血管拡張は顕著に改善していた。インドシアニングリーン蛍光造影では,照射終了後も乳頭周囲の隆起性病巣に一致した部位が低蛍光を呈していた。この所見は,白血病細胞の乳頭周囲脈絡膜への浸潤を示すと解釈された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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