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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科55巻4号

2001年04月発行

文献概要

特集 第54回日本臨床眼科学会講演集(2) 原著

視覚誘発電位で興味ある経過を示した糖尿病乳頭症の1例

著者: 水鳥川俊夫1 山崎広子1 黄鴻釣1 池尻充哉2 津山嘉彦2

所属機関: 1国立精神神経センター国府台病院眼科 2千葉大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.627 - P.630

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 未治療の糖尿病がある46歳女性が左眼視力低下で受診した。矯正視力は右1.2,左0.15であった。増殖前糖尿病網膜症が両眼にあり,左眼に乳頭の発赤腫脹と過蛍光があり,糖尿病乳頭症と診断した。左眼視野に盲中心暗点があった。視覚誘発電位(visually evoked cortical potentials:VECP)は振幅低下と潜時延長を示した。インスリンによる糖尿病治療を開始した4週後に左眼視力は0.6に回復したが,さらにその4週後に視力正常の右眼のVECP振幅が低下し,続いて乳頭発赤が生じ,視力が0.4に低下した。全6か月の経過で視力と視野は回復し,VECP潜時は正常化した。糖尿病乳頭症で,視力障害に先だってVECPの振幅低下が生じ,視力回復に伴って潜時が短縮したことから,VECPが本症での視神経障害の評価に有用であると結論される。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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