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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科55巻4号

2001年04月発行

文献概要

臨床報告

全層角膜移植術20年後の角膜内皮細胞

著者: 井上賢治1 木村内子1 天野史郎1 大鹿哲郎2 水流忠彦3

所属機関: 1東京大学医学部限科学教室 2東京大学医学部附属病院角膜移植部 3自治医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.685 - P.689

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 全層角膜移植術後に移植角膜の透明性を20年以上維持した15眼を検索した。原因疾患は,円錐角膜10眼とヘルペス性角膜炎5眼である。手術時の年齢は6歳から45歳,平均25.3±10.4歳であった。全例に3日以内保存された角膜を用いた。mm2当たりの角膜内皮細胞密度は,術後10年で998±343,20年で852±245であり,10年間の減少率は12.1±16.3%であった。この減少率は,術後の拒絶反応,最終視力,原因疾患,手術時の患者年齢,ドナーの年齢といずれも関連しなかった。以上の所見から,移植角膜の透明性が20年以上維持された症例では,術後10年以降の角膜内皮細胞の障害が小さいことが結論される。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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