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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科55巻5号

2001年05月発行

文献概要

特集 第54回日本臨床眼科学会講演集 (3) 原著

ぶどう膜炎に対する硝子体手術の長期予後

著者: 三浦清子1 小泉範子2 高井七重1 多田玲3 佐藤文平1 池田恒彦1

所属機関: 1大阪医科大学眼科学教室 2京都府立医科大学眼科学教室 3多田眼科

ページ範囲:P.771 - P.774

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 硝子体手術を行ったぶどう膜炎16眼の長期経過を検索した。原疾患は,サルコイドーシス9眼,桐沢型ぶどう膜炎3眼,ベーチェット病1眼,眼トキソカラ症1眼,原因不明2眼である。術前に3眼が偽水晶体眼であり,術中に他の13眼中12眼に水晶体摘出を行った。術後の経過観察期間は6か月から9年9か月,平均37か月であった。術後6か月の時点で2段階以上の視力改善が13眼(81%)で得られ,最終視力は9眼(56%)で改善した。サルコイドーシス2眼で増殖性変化または炎症遷延のために視力が悪化した。ぶどう膜炎に対する硝子体手術では,硝子体混濁が除去できる一方,術後に増殖性変化や炎症が遷延または再燃することがあるので,水晶体摘出,周辺部硝子体の徹底的な切除術後の消炎管理が必要であると結論される。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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