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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科55巻5号

2001年05月発行

文献概要

特集 第54回日本臨床眼科学会講演集 (3) 原著

両眼の前眼部炎症および視神経乳頭炎を呈したネコひっかき病の1例

著者: 宮本裕子1 河原澄枝1 森村佳弘1 岡田アナベルあやめ1

所属機関: 1杏林大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.792 - P.796

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 12歳女児が3週間前に両眼の視力低下を自覚し、他医で虹彩炎と視神経乳頭炎と診断された。当科受診時の矯正視力は右0.1,左0.09であった。両眼に前房の細胞遊走,虹彩後癒着,前部硝子体混濁,視神経乳頭の腫脹と発赤があり,周辺に網脈絡膜滲出斑が散在していた。両眼に中心暗点があり,左眼の下方視野に狭窄があった。問診で野良ネコとの接触があり,Bartonella henselaeの血清抗体価が上昇していたため,ネコひっかき病を疑った。抗菌薬とステロイドの全身投与を行い,視力がやや改善し,乳頭腫脹が軽減した。ネコひっかき病の診断基準と治療法はまだ確立されていない現在,参考になる症例である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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