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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科55巻5号

2001年05月発行

文献概要

特集 第54回日本臨床眼科学会講演集 (3) 原著

上斜筋筋腹萎縮を伴う先天性上斜筋麻痺症例の臨床的特徴

著者: 山根貴司1 大月洋1 長谷部聡1 河野玲華1 堀川昌代1 平井美恵1 小林薫2

所属機関: 1岡山大学医学部眼科学教室 2中町赤十字病院眼科

ページ範囲:P.805 - P.808

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 片眼性先天性上斜筋麻痺29症例を検索した。磁気共鳴画像検査(MRI)で上斜筋筋腹萎縮がある11例と,ない18例である。第1眼位での上下偏位は萎縮群でより大きい傾向があり,Bielschowsky頭部傾斜試験での上下偏位は萎縮群で有意に大きかった。他覚的回旋偏位には両群問に有意差がなかった。Vパターンは非萎縮群に多かった。頭部傾斜試験での大きな上下偏位には,患眼上斜筋の下転作用の低下と上直筋の上転作用の亢進が関与していると考えられた。臨床所見から上斜筋の形態異常を推定することが可能である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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