icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科55巻5号

2001年05月発行

文献概要

特集 第54回日本臨床眼科学会講演集 (3) 原著

血清IgEの上昇を伴った眼窩・肺真菌症の1例

著者: 佐藤章子1 三好永利子1 吉岡由貴2 田中隆夫3

所属機関: 1大館市立総合病院眼科 2東北大学医学部眼科学教室 3大館市立総合病院病理部

ページ範囲:P.813 - P.817

文献購入ページに移動
 57歳の男性が1か月前からの右眼視力障害で受診した。糖尿病が17年前に発見されたが最近は無治療である。右眼視力は零で,眼球突出,全方向の眼球運動障害があり,眼窩尖端症候群の所見を呈した。鼻腔と副鼻腔には異常がなく,CTなどで眼窩腫瘤と肺の異常陰影が証明された。血清免疫グロブリン(IgE)が高値であり,真菌症が疑われた。眼窩腫瘤切除術を行い,眼窩ムコール症が証明され,術野をフルコナゾールで洗浄した。その後生検で肺クリプトコッカス症が診断された。血糖コントロールとフルコナゾールの全身投与で血清IgEと細胞性免疫能が改善し,眼窩と肺の真菌症は寛解した。これら真菌症には高血糖と細胞性免疫能の低下が関与していると推定された。血清IgEの異常高値は本症を疑う最初の重要な所見であった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら