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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科55巻5号

2001年05月発行

文献概要

特集 第54回日本臨床眼科学会講演集 (3) 原著

再発を繰り返した両眼性桐沢型ぶどう膜炎の1症例

著者: 間山夏子1 水谷英之1 野田康子1 中沢満1

所属機関: 1弘前大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.833 - P.836

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 5歳女児が右眼の視力低下で受診した。右眼に虹彩後癒着,硝子体混濁,周辺部の網脈絡膜萎縮,網膜血管白鞘化があり,原因不明のぶどう膜炎の瘢痕期と診断した。2年後に左眼に桐沢型ぶどう膜炎が発症した。アシクロビルとプレドニゾロンの全身投与で鎮静化した。15歳のとき,左眼にぶどう膜炎が再発した。硝子体切除術,輪状締結術,アシクロビルの硝子体灌流を行った。硝子体液は,polymerase chain reaction (PCR)法で単純ヘルペスウイルスDNAが陽性であった。17歳のとき左眼が再燃し,18歳のとき右眼虹彩炎が生じたが,いずれも薬物投与で改善した。この2回の再発時に前房水からヘルペスウイルスDNAが検出された。19歳の現在,炎症は鎮静化し,右0.03,左1.2の矯正視力を維持している。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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