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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科55巻5号

2001年05月発行

文献概要

特集 第54回日本臨床眼科学会講演集 (3) 原著

内境界膜剥離が有効であったレーザー外傷による黄斑円孔の1例

著者: 田代裕二1 櫻井真彦2 三宅正晃1 井上治郎1

所属機関: 1医療法人社団済安堂井上眼科病院 2東京大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.879 - P.882

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 34歳男性が実験中にレーザーによる誤照射を左眼に受け,直後からの視力低下で受診した。使用したレーザーはNd:YAGレーザー(半波長532nm)で,出力は10ml,照射時間は0.Ol秒であった。受傷当日の左眼矯正視力は0.5で,黄斑部の白濁と網膜出血があった。1週後に視力は0.6になり,黄斑円孔が生じていた。以後,視力改善と円孔閉鎖の傾向がなく,変視症が持続したため,受傷の6週後に内境界膜剥離を行った。術後6か月の現在,受傷部の網膜下にレーザーによる瘢痕が残っているが,円孔は閉鎖し,視力は1.2に改善した。レーザー外傷による黄斑円孔に対して本術式が有効であったと考えられる症例である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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