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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科55巻5号

2001年05月発行

文献概要

特集 第54回日本臨床眼科学会講演集 (3) 原著

乳房Paget病にみられた結膜リンパ腫の臨床像

著者: 大庭美智子1 谷口亮1 上松聖典1 陣林浩美1 岩崎啓介2

所属機関: 1佐世保市立総合病院眼科 2佐世保市立総合病院病理

ページ範囲:P.883 - P.886

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 51歳の女性が,7か月前からの右眼球結膜の腫瘤で受診した。9か月前から左乳房の湿疹様変化があり,Paget病と診断され,1週間前に単純乳房切除術を受けた。右眼の下方球結膜から下円蓋にかけて鮭紅色の境界明瞭な楕円形の腫瘤があった。腫瘤の病理組織学的所見として,小型リンパ球組織が増殖し,濾胞様構造が一部分残っており,炎性偽腫瘍のリンパ腫型と診断した。乳房Paget病の転移ではなかった。眼組織がたまたま慢性炎症のある結膜のリンパ球を刺激して炎症性変化が続発し,今回のような病変が生じたと推定した。この2疾患に関係する病態生理は不明であった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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