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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科55巻5号

2001年05月発行

文献概要

特集 第54回日本臨床眼科学会講演集 (3) 原著

薬物療法で鎮静化が得られた眼トキソカラ症の1例

著者: 園尾純一郎1 山本成径1 糸賀俊郎1 武井一夫1 本村幸子1

所属機関: 1筑波大学附属病院眼科

ページ範囲:P.895 - P.899

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 仔犬との接触歴のある14歳女子が,1週間前からの左眼霧視と眼痛で受診した。矯正視力は左0,15で,左眼に硝子体索と周辺部眼底に黄白色の隆起性病変があった。血清のトキソカラ抗体が陽性であり,特徴的な眼所見と合わせ眼トキソカラ症と診断した。ステロイド薬の全身投与は無効であり,4週間後に視力が0.02に低下した。初診6週後からジエチルカルバマジンの全身投与を開始した後,病巣は急速に瘢痕化し,網膜浮腫と血管炎が著明に改善し,視力が0.6に回復した。薬物療法のみで眼トキソカラ症が改善しうることを示す症例である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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