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特集 第54回日本臨床眼科学会講演集 (3)
原著
文献概要
網膜中心動脈閉塞症5例5眼の網膜厚と形態を光干渉断層計(OCT)で経時的に観察した。男4例,女1例で,年齢は51〜65歳,平均60歳であった。観察期間は4〜11か月,平均8か月である。急性期では全例で網膜が肥厚し,時間の経過とともに菲薄化した。OCTでは,急性期では網膜内層が厚く高信号であり,最終観察時には網膜内層が菲薄化していた。最終視力が0.1以上の3眼(良好群)と0.1未満の2眼(不良群)を比較すると,不良群のほうが急性期での網膜内層の肥厚が強く,その後の菲薄化も強かった。不良群では中心窩周囲の菲薄化により中心窩の陥凹が消失したが,良好群では中心窩の陥凹が残った。OCTは網膜中心勤脈閉塞症での網膜障害の程度の評価に有用であった。
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