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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科55巻5号

2001年05月発行

文献概要

特集 第54回日本臨床眼科学会講演集 (3) 原著

緑内障様視神経萎縮がみられた有機溶媒中毒

著者: 山本俊一1 城間正1 仲村佳巳1 仲村優子1 早川和久1 澤口昭一1

所属機関: 1琉球大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.945 - P.948

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 有機溶媒による両眼の視神経萎縮2例を経験した。1例は25歳男性で,過去5年間のシンナー吸引歴があった。矯正視力は右0.08,左0.06であり,陥凹を伴う視神経萎縮が両眼にあった。他の1例は40歳男性でアルコール依存症があり,2か月前にメチルアルコール500mlを飲んだのち急激な視力低下が生じた。視力は左右とも30cm手動弁であった。右眼の乳頭が発赤,腫脹し,左眼には高度の視神経萎縮があった。3か月後に視力が左右とも光覚弁になり,両眼に陥凹を伴う高度の視神経萎縮があった。走査レーザー検眼鏡(scanning laser ophthalmoscope:SLO)で,露出した篩状板孔の形態が正常であることが観察された。SLOを用いることで,中毒性の視神経陥凹を緑内障性のそれと鑑別することが可能である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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