文献詳細
臨床報告
文献概要
41歳女性の左眼に消毒液が入って受診した。両眼とも-8Dの近視であり,矯正視力は右0.4,左0.5であった。両眼眼底に典型的な脳回転状網脈絡膜萎縮の所見があった。両眼に視野狭窄があり,網膜電図は記録不能であった。血清中のオルニチン値は597.3nmol/mlと高値であり,脳回転状網脈絡膜萎縮の診断が確定した。1日量180mgのピリドキシン(ビタミンB6)の投与を開始し,10週後の血清オルニチン値は455.5nmol/mlになり,約24%低下した。初診から14か月の経過観察で,視力,眼底所見,視野には変化がない。本症はオルニチンアミノトランスフェラーゼ欠損が原因であり,その補酵素であるピリドキシンの大量投与が病変の進行を阻止する可能性がある。
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