icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科55巻5号

2001年05月発行

文献概要

臨床報告

脳回転状網脈絡膜萎縮の1例

著者: 深沢伸一1

所属機関: 1彦根市立病院眼科

ページ範囲:P.996 - P.999

文献購入ページに移動
 41歳女性の左眼に消毒液が入って受診した。両眼とも-8Dの近視であり,矯正視力は右0.4,左0.5であった。両眼眼底に典型的な脳回転状網脈絡膜萎縮の所見があった。両眼に視野狭窄があり,網膜電図は記録不能であった。血清中のオルニチン値は597.3nmol/mlと高値であり,脳回転状網脈絡膜萎縮の診断が確定した。1日量180mgのピリドキシン(ビタミンB6)の投与を開始し,10週後の血清オルニチン値は455.5nmol/mlになり,約24%低下した。初診から14か月の経過観察で,視力,眼底所見,視野には変化がない。本症はオルニチンアミノトランスフェラーゼ欠損が原因であり,その補酵素であるピリドキシンの大量投与が病変の進行を阻止する可能性がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら