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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科55巻5号

2001年05月発行

文献概要

臨床報告

角膜移植眼に生じた感染性角膜炎の検討

著者: 中島秀登1 山田昌和1 真島行彦1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1001 - P.1006

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 慶應義塾大学病院眼科において角膜移植を施行した症例のうち、1994年から1998年の5年間に感染性角膜炎を発症した14例14眼について遡及的に検討した。感染性角膜炎の病型は縫合糸膿瘍型8例と非縫合糸膿瘍型6例に分けられ,前者の発症時期はさまざまであったが,後者は角膜上皮の状態の不良な術後ごく早期か,移植片機能不全に陥った晩期に多く発症していた。発症の誘因としては縫合糸の緩み,断裂,コンタクトレンズ装用,角膜上皮の不整などがあり,ステロイド薬の点眼を含め全例で複数の誘因が関与していた。起因菌は黄色ブドウ球菌(MRSA 3例を含む)が6例と最も多く,次いでカンジダ,コリネバクテリウム,緑膿菌が各2例で,起因菌が同定されなかった例は2例あった。14例中11例は薬物治療に反応したが,3例では移植片交換などの外科的治療を要した。角膜移植術後の患者に対しては危険因子の存在を常に念頭に置き,長期にわたり慎重に経過槻察していくことが必要と考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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