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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科55巻5号

2001年05月発行

文献概要

臨床報告

眼圧上昇を伴った角膜内皮炎の1例

著者: 野々山深1 渋谷勇三1 枡田尚1 高梨泰至1 大平明弘1 高鳥葉子2

所属機関: 1島根医科大学眼科学教室 2高鳥クリニック

ページ範囲:P.1011 - P.1014

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 症例は37歳の女性で,右眼の視力低下を主訴に島根医科大学附属病院眼科に紹介された。初診時の矯正視力は右0.03,左1.2眼圧は右29mmHg,左12mmHgで,右角膜は中央部の上皮に小水胞,全層に浮腫を認めた。細胞浸潤はなかった。角膜内皮に強いスリガラス状の混濁がみられ,混濁部位に一致して後面沈着物を認めた。高眼圧に対してβ遮断薬の点眼を行い眼圧は下降した。角膜病変はステロイド薬,アシクロビルの局所投与に反応せず,アシクロビルの内服投与で軽快した。最終的にヘルペス性中央部浮腫聖角膜内皮炎と診断した。中央部浮腫型角膜内皮炎は,眼圧上昇を伴いステロイド薬やアシクロビルの局所投与に反応しないことがある。そのような症例にはアシクロビルの内服投与も考慮すべきと思われた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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