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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科55巻6号

2001年06月発行

文献概要

特集 第54回日本臨床眼科学会講演集 (4) 原著

白内障手術後眼内炎予防のための抗生物質(flomoxef sodium)の投与法と前房内移行

著者: 草野良明1 折原雄一1 安田明弘1 佐久間敦之1 大越貴志子1 山口達夫1

所属機関: 1聖路加国際病院眼科

ページ範囲:P.1072 - P.1076

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 白内障手術後の眼内炎予防のためにfiomoxef sodium (FMOX)の投与法と眼内移行を検討した。33例にFMOX 1.6gを術前60分から180分前に静注し,術中に前房水を採取してその濃度を測った。150分前の投与で最高値2.1±1.7μg/mlに達した。146例にはFMOX 10ないし20mgを術前30分から300分前に結膜下に注射した。前房内濃度の最高値は53.4±22.6μg/mlから110.4±67.9μg/mlの範囲にあった。179例すべてに副作用はなかった。白内障患者100眼の結膜嚢から,21眼で9種の細菌が分離された。これらの最小発育阻止濃度(MIC)は,その多くが0.5μg/ml以下であった。手術室に置いた培地から分離されたStaphylococcus epidermidisのMICは4.0μg/ml以下であった。以上の結果から,術後の眼内炎予防のためには,FMOXの静脈内投与よりも結膜下注射のほうが有効であると推察される。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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