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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科55巻6号

2001年06月発行

特集 第54回日本臨床眼科学会講演集 (4)

原著

糖尿病網膜症と血清ヘモグロビン濃度の関係

著者: 森田啓文1 鈴木亨1 伊比健児2 田原昭彦2

所属機関: 1北九州市立若松病院限科 2産業医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.1105 - P.1107

文献概要

 糖尿病網膜症の程度と末梢血ヘモグロビン濃度の関係を306人について検索した。網膜症の程度を3群に分けた。網膜症なし(Ⅰ群),光凝固の既往のない単純網膜症(Ⅱ群),重度網膜症(Ⅲ群)であり,Ⅲ群には光凝固の既往のある単純網膜症,前増殖網膜症,増殖網膜症を含むものとした。ヘモグロビン濃度の平均値を,男女別と,年代層別(50歳未満,50,60,70歳台,80歳以上)に設定した。低ヘモグロビンの頻度は,Ⅰ群44.1%,Ⅱ群27.9%,Ⅲ群27.9%あり,高ヘモグロビンの頻度は,Ⅰ群57.7%,Ⅱ群23.5%,Ⅲ群18.8%であり,ヘモグロビン低値者と高値者間に有意差があった(p<0.05,X2検定)。この結果は,糖尿病網膜症の程度とヘモグロビン濃度との間に正の相関があることを示している。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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