文献詳細
特集 第54回日本臨床眼科学会講演集 (4)
原著
文献概要
ステロイド薬による治療後,異なる経過をとった眼窩筋炎の3症例を経験した。いずれも女性であり,年齢は,42歳,47歳,39歳である。片眼性の急性期の1例は,ステロイド治療後に寛解した。片眼性の慢性期の1例は,ステロイドパルス療法後も眼球運動障害が残った。両眼性の急性期の1例は,ステロイドパルス療法後に軽快したが4か月後に再発した。眼窩筋炎の治療では,発症早期に十分量のステロイド薬を投与すること,その漸減を急がないことが重要であること,両眼性の症例にはステロイドパルス療法が望ましいことが推論される。
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