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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科55巻6号

2001年06月発行

文献概要

特集 第54回日本臨床眼科学会講演集 (4) 原著

ぶどう膜炎による続発緑内障に対するラタノプロストの使用経験

著者: 植木麻理1 川上剛2 奥田隆章2 杉山哲也1 中島正之1 池田恒彦1

所属機関: 1大阪医科大学眼科学教室 2生駒総合病院眼科

ページ範囲:P.1163 - P.1166

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 ラタノプロスト点眼液をぶどう膜炎による続発緑内障14例19眼に投与し,眼圧と炎症への影響を検索した。点眼開始4週間後では投与前後で有意の眼圧下降効果は得られず,炎症の継続群8眼と1年以上の炎症静止群11眼の間で有意差はなかった。しかし10眼(53%)に,outflow pressure法で30%以上の眼圧下降率が得られた。炎症については,継続群6眼(75%)にぶどう膜炎の増悪,静止群5眼(45%)に炎症の再燃があった。ステロイド薬を併用している5眼では,そのすべてで炎症が増悪した。ぶどう膜炎に続発した緑内障へのラタノプロスト点眼では,有効な眼圧下降が得られることがあるが,高率にぶどう膜炎の再燃または増悪があるので注意が必要である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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