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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科55巻6号

2001年06月発行

文献概要

特集 第54回日本臨床眼科学会講演集 (4) 原著

マイトマイシンC併用線維柱帯切除術後,長期経過して発症した眼内炎の2例

著者: 山口希1 佐藤文平1 渡邊敏夫1 廣辻徳彦1 徳岡覚1 池田恒彦1 横山順子2

所属機関: 1大阪医科大学眼科学教室 2新生病院眼科

ページ範囲:P.1183 - P.1186

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 58歳男性と62歳女性が眼内炎で紹介され受診した。2例とも約3年前にマイトマイシンC併用線維柱帯切除術が行われていた。1例は脳梗塞による半身不随と長期間の独居,他の1例は無治療の糖尿病があり,要介護者と同居していた。両症例とも,マイトマイシンCの結果として濾過胞の結膜が血管に乏しく,結合組織が粗になり,その結果,結膜のocular surfaceとしての機能が低下したことが眼内炎の誘因になったと考えられた。両症例とも,独居,糖尿病,要介護者の存在など、感染因子が増加する背景因子があった。マイトマイシンC併用線維柱帯切除術では長期間後に眼内炎が発症する可能性があることを示す2症例である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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