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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科55巻6号

2001年06月発行

文献概要

特集 第54回日本臨床眼科学会講演集 (4) 原著

前房内粘弾性物質注入が有効であった硝子体手術後の低眼圧黄斑症の1例

著者: 松永裕史1 西村哲哉2 松村美代2

所属機関: 1関西医科大学附属香里病院眼科 2関西医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.1203 - P.1206

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 39歳男性の両眼の網膜剥離に対して強膜内陥術を行い,復位を得た。右眼は術後1か月ごろから黄斑部耳側に増殖膜が生じ,硝子体手術を行った。眼圧は徐々に低下し,4か月後に4mmHgになり,低眼圧黄斑症になった。以後4か月間低眼圧が持続したので,その原因と考えられた残存前部硝子体切除を行った。眼圧が改善しないため,その2週後に前房内に粘弾性物質を注入した。これにより眼圧は正常化し,黄斑症が改善した。本症例では,初回の硝子体手術後に残存した前部硝子体が毛様体を牽弓し,房水の産生が低下したことが低眼圧の原因であったと推定された。前房内に粘弾性物質を注入することで,毛様体解離が閉鎖し,房水産生が回復したと推定された。低眼圧黄斑症に対して前房内粘弾性物質注入が有効であった症例である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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