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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科55巻6号

2001年06月発行

特集 第54回日本臨床眼科学会講演集 (4)

原著

沈下型蛍光漏出を示す胞状網膜剥離の臨床的特徴

著者: 渡辺五郎1 飯田知弘1 高橋慶1 佐藤拓1 岸章治1 清水正明2

所属機関: 1群馬大学医学部眼科学教室 2下仁田厚生病院眼科

ページ範囲:P.1217 - P.1220

文献概要

 特発性漿液性網膜剥離のうち,フルオレセイン蛍光造影で網膜色素上皮からの蛍光漏出が下方に向かう症例の特徴を検索した。沈下型蛍光漏出は,胞状網膜剥離69例115眼のうち8例8眼(7%)にあり,典型的な中心性網脈絡膜症630例840眼ではこれがなかった。沈下型蛍光漏出は,全例で網膜色素上皮剥離の縁から始まっており,漏出液の周囲には網膜下の滲出斑(白色斑紋)があった。7眼では白色斑紋の中に網膜下液の通路に一致して,淡く透明な部位があった。蛍光漏出が下方に向かい,周囲に白色斑紋を伴う現象は,漏出液が蛋白などの成分に富み,網膜下液よりも比重が大きいためと推定した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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