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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科55巻6号

2001年06月発行

文献概要

特集 第54回日本臨床眼科学会講演集 (4) 特別講演

加齢黄斑症の臨床所見と経過

著者: 尾花明1 郷渡有子1 三浦央子1 和田園美1 三木徳彦1

所属機関: 1大阪市立大学大学院医学研究科視覚病態学

ページ範囲:P.1229 - P.1234

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 少なくとも1眼に加齢黄斑症のある453例906眼を遡及的に検索した。男314例,女139例で,年齢は48〜91歳,平均69±8.9歳であった。診断時の所見として,早期加齢黄斑症151眼,漿液性網膜色素上皮剥離21眼,加齢黄斑変性510眼(滲出型489眼,萎縮型21眼)があった。経過中に早期加齢黄斑症の2眼が黄斑変性に,1眼が萎縮型に移行した。滲出型の約60%に滲出持続や線維化進行があり,35%で視力が低下した。いわゆるclassic型の新生血管を含む眼は予後不良であった。約20%の症例がMacular Photocoagulation Study Groupの治療基準に合致した。フルオレセイン蛍光造影で病巣の境界が不鮮明な眼の75%に,インドシアニングリーン(ICG)蛍光造影で新生血管が検出された。ICG造影に基づく治療で,約60%の眼で視力が維持された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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