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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科55巻6号

2001年06月発行

文献概要

特集 第54回日本臨床眼科学会講演集 (4) 原著

未熟児網膜症の硝子体手術における灌流ポート設置法

著者: 山上高生1 荒川朋彦1 辻本真実1 佐藤文平1 菅澤淳1 池田恒彦1

所属機関: 1大阪医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.1251 - P.1254

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 5期未熟児網膜症4例4眼に対して,硝子体手術を行った。生後18週から23週であり,在胎期間は24週から28週であった。長さ2.5mmの灌流ポートを角膜輪部から1.5mm後方に置き,毛様体雛襞部を貫通し,水晶体内に先端を刺入した。まず水晶体切除と水晶体後面の増殖膜処理を行い,網膜の牽引を十分に開放した時点で硝子体内にヒアルロン酸を注入して漏斗状の網膜を伸展させた。術中に医原性裂孔が生じた場合には気圧伸展網膜復位を行った。4眼中1眼に完全復位,2眼に部分復位が得られた。この灌流ポート設置法は,周辺部網膜を損傷する危険が少ないこと,角膜内皮障害が少ないこと,術野が十分に確保できることなどの利点を有し,未熟児網膜症の硝子体手術の一変法として有用であると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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