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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科55巻6号

2001年06月発行

文献概要

特集 第54回日本臨床眼科学会講演集 (4) 原著

長期に眼内鉄片異物が存存したが網膜機能が良好であった眼鉄錆症の1例

著者: 原田行規1 伊比健児1 広瀬直文1 田原昭彦1 松野康二2 横田健司3

所属機関: 1産業医科大学眼科学教室 2産業医科大学共同利用研究センター 3横田眼科

ページ範囲:P.1285 - P.1289

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 62歳男性が右眼の視力低下で受診した。37年前に鉄板を切断中に異物が右眼に当たった既往があった。前医で高眼圧に対する点眼を受けていた。右眼視力は0.01で,白内障,虹彩と隅角の色素増加があった。CTで毛様体扁平部に異物があり,摘出した。異物の周囲に被膜はなかった。異物の組成は95%以上が鉄であり,前房水に鉄イオンの増加と,虹彩に鉄成分の沈着があった。白内障手術後の視力は1.5で,眼底の色調は正常であり,網膜電図に異常はなかった。鉄性異物が被膜で覆われていなくても,長期間網膜機能が良好であり得ることを示す症例である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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