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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科55巻6号

2001年06月発行

文献概要

臨床報告

前立腺癌に関連した傍新生物網膜症(paraneo-plastic retinopathy)と考えられた1症例

著者: 廣瀬美央1 小林博2

所属機関: 1兵庫県立尼崎病院眼科 2佐賀医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.1331 - P.1336

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 76歳男性が右眼の視力低下と夜盲で受診した。矯正視力は右0.6,左1.0であり,右眼視野に感度低下,左眼に中心暗点があった。眼底は正常であり,蛍光造影で網膜血管の透過性亢進が両眼にあった。網膜電図では,a波は維持され,b波が欠如していた。9か月後に視力は右0.02,左0.2に低下し,両眼に中心暗点と輪状暗点が検出された。初診から11か月後に前立腺癌が発見された。局所浸潤のみで転移はなく,内分泌療法と放射線照射で軽快した。以後,矯正視力は左右とも0.1を保っている。血清からはウシ網膜に反応する抗体は検出されなかったが,臨床症状から前立腺癌に関連する抗双極細胞抗体による傍新生物網膜症(paraneoplastic retinopathy)と推定した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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