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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科55巻6号

2001年06月発行

文献概要

臨床報告

後天性免疫不全症候群に関連しないサイトメガロウイルス網膜炎の5例

著者: 鵜殿徹男1 阿部俊明1 佐藤雅美1 玉井信1

所属機関: 1東北大学大学院医学系研究科感覚器病態学講座眼科学分野

ページ範囲:P.1337 - P.1343

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 後天性免疫不全症候群(AIDS)に関連せず,典型的なサイトメガロウイルス(CMV)網膜炎が両眼にある5症例を経験した。3例は内科的疾患に対してステロイド剤と免疫抑制剤を長期投与中であり,2例は悪性腫瘍に対して化学療法中であった。1例ではCMVが尿と咽頭から分離培養され,4例では前房水または硝子体からPCR法でCMVのDNAが検出された。4例ではガンシクロビルなどによる抗ウイルス療法と手術で網膜炎が消退し,以後の再発はなかった。1例では全身状態の悪化とともに網膜炎が他眼に発症して死亡した。非AIDS患者に発症したCMV網膜炎は,的確な診断と治療を行い,全身状態が安定していれば比較的良好な経過をとることを示す症候群である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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