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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科55巻7号

2001年07月発行

文献概要

臨床報告 カラー臨床報告

Liposomal doxorubicinが奏効したエイズ関連結膜カポジ肉腫の1例

著者: 八代成子1 菊池嘉2 永田洋一1 長瀧重智1 岡慎一2

所属機関: 1国立国際医療センター眼科 2国立国際エイズ治療・研究開発センター

ページ範囲:P.1385 - P.1390

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 40歳男性が右眼の充血で受診した。8か月前にHIV抗体陽性が発見された。1か月前にカリニ肺炎があり,後天性免疫不全症候群(エイズ)と診断された。舌に赤色の隆起性病変があり,生検でカポジ肉腫と診断された。カポジ肉腫はさらに上部消化管に進展した。通常の各種化学療法とビンブラスチンの局所投与が行われたが効果は一過性であった。初診から13か月後に両眼の球結膜にカポジ肉腫が発症した。Liposomal doxorubicinを3週ごとに点滴した。5回の投与後に結膜肉腫は著明に縮小し,12回の投与で舌と上部消化管を含む病変は消失した。投与中に骨髄抑制などの副作用はなかった。最終投与から12か月が経過した現在まで再発はない。Liposomal doxorubicinがカポジ肉腫に有効であった症例である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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