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臨床報告
ラタノプロスト点眼後,急性緑内障を起こした小眼球の1例
著者: 渡辺善則1 谷藤泰寛1
所属機関: 1谷藤眼科医院
ページ範囲:P.1407 - P.1410
文献購入ページに移動 62歳の女性が11年前に右眼打撲で受診した。矯正視力は右光覚弁,左0.3で,+7.5Dの遠視であった。角膜径は両眼とも10.5mmで,眼軸長は右17.2mm,左16.8mmの小眼球であった。7年前に水晶体亜脱臼による閉塞隅角緑内障が左眼に発症した。レーザー虹彩切開術で隅角閉塞は解除された。2年前に白内障手術と眼内レンズ挿入を行った。11か月前に眼圧が上昇し,ドルゾラミド点眼で眼圧が正常化した。全周に虹彩前癒着があったが前房は深かった。7か月前にラタノプロスト点眼に変更した。4か月前に膨隆虹彩による急性閉塞緑内障が発症した。レーザー虹彩切開とドルゾラミド点眼に切り替えて眼圧は安定化した。全周に隅角閉塞のある小眼球では,ラタノプロスト点眼によって急性閉塞緑内障を誘発する可能性がある。
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