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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科55巻7号

2001年07月発行

文献概要

臨床報告

肺結核症のみられたmultifocal choroiditisの1例

著者: 村中公正1 上甲覚2 沼賀二郎3 蕪城俊克1 川島秀俊1 藤野雄次郎4

所属機関: 1東京大学医学部附属病院眼科 2恵仁会病院眼科 3東京都老人医療センター眼科 4東京厚生年金病院眼科

ページ範囲:P.1441 - P.1445

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 73歳男性が3か月前からの両眼の視力低下で受診した。14か月前に肺結核と診断され,治療中であった。両眼とも眼内レンズ挿入眼で,矯正視力は右0.5,左0.1であった。左右眼とも前房に虹彩炎の所見があり,眼底の後極部を中心として黄白色斑が散在し,乳頭が発赤していた。左眼には黄斑下出血があった。多発性脈絡膜炎multifocal choroiditisと診断した。眼底の黄白色斑の部位は,光干渉断層計(OCT)ではこれに相当する異常所見がなく,フルオレセイン蛍光造影では過蛍光,インドシアニングリーン蛍光造影では低蛍光を呈した。左眼黄斑部のOCT像では,嚢胞様黄斑浮腫と黄斑下出血に相当する網膜下の高信号領域が検出された。肺結核と多発性脈絡膜炎との関係は不明であった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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