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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科55巻7号

2001年07月発行

文献概要

臨床報告

断裂した眼内レンズのループが角膜内皮障害の原因の1つとして考えられた1例

著者: 馬嶋清如1 桐渕恵嗣1 糸永興一郎1 山本直樹2

所属機関: 1藤田保健衛生大学坂文種報徳会病院眼科 2藤田保健衛生大学臨床検査研究部救命救急センター

ページ範囲:P.1457 - P.1461

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 59歳の男性が,左眼の皮質白内障に対して超音波乳化吸引術と眼内レンズ(IOL)挿入術を受けた。IOLは光学部がシリコーン,支持部がポリプロピレンであった。皮質吸引中に後嚢が破損し,IOLは嚢外に固定された。術後1週目の矯正視力は0.5であったが,3か月後に0.01に低下した。角膜内皮の細胞密度は748/mm2で,術前の1,500/mm2より低下していた。変動係数(CV)は0.51で術前が0.40,六角形細胞率は23%で術前が35%であった。水疱性角膜症と診断し,全層角膜移植術を行った。この際にIOLが偏位し,破損した支持部の断端が虹彩を穿孔していた。本症例では,断裂したIOLの支持部が虹彩を穿孔し,角膜内皮を障害した可能性があると推定した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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