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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科55巻8号

2001年08月発行

文献概要

特集 眼疾患の季節変動

ウイルス性結膜炎の季節変動

著者: 内尾英一1 竹内聡1 伊藤典彦1 松浦範子1 高橋泉1

所属機関: 1横浜市立大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1507 - P.1511

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 わが国では1981年以来,厚生労働省によって感染症サーベイランスが継続的に行われ,ウイルス性結膜炎では,流行性角結膜炎,急性出血性結膜炎,咽頭結膜熱がその対象になっている。ウイルス性結膜炎の中で頻度が最も高いアデノウイルス結膜炎は,わが国では8月に発症者数が最も多くなる季節変動がある。アデノウイルス血清型では,19型を除く血清型は夏に極大があり,19型は晩秋から初冬にかけて最高頻度になる。これら特徴的な季節変動には,高温多湿なわが国の夏の気候と血清型による生物学的な相違が背景にあると推定される。エンテロウイルスによる急性出血性結膜炎は,9月から10月に発症が増加する傾向が最近の流行から見られる。単純ヘルペスウイルス結膜炎は7〜8月に患者数が最も多く,アデノウイルス結膜炎に似た季節変動を示す。クラミジア結膜炎は,ウイルス性結膜炎とは対照的に,3月と6〜8月に2つのピークがある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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