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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科55巻8号

2001年08月発行

文献概要

臨床報告

内頸動脈海綿静脈洞瘻に続発した開放隅角緑内障に発症した悪性緑内障の1例

著者: 中村聡1 大黒浩12 舟橋謙二3 前田貴美人1 丸山幾代12

所属機関: 1札幌医科大学医学部眼科学教室 2弘前大学医学部眼科学教室 3市立小樽病院眼科

ページ範囲:P.1563 - P.1567

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 72歳男性が両眼の原発開放隅角緑内障と診断され,治療が奏効しないため,右眼に線維柱帯切除術が施行された。前房形成が不良で悪性緑内障が発症し,3週後に脳神経外科で両側の内頸動脈海綿静脈洞痩と診断された。白内障嚢内摘出術と前部硝子体切除術で毛様体硝子体水晶体ブロックを解除し,治癒を得た。本症例での悪性緑内障の発症機序として,内頸動脈海綿静脈洞瘻による上強膜静脈圧と渦静脈圧上昇に続発した高眼圧,硝子体後方容積の増加,毛様体のうっ血による虹彩水晶体隔膜の易前方移動性が考えられた。以上から,内頸動脈海綿静脈洞瘻に続発した開放隅角緑内障に濾過手術を施行する際には,悪性緑内障の発症に留意すべきであると思われた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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