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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科55巻9号

2001年09月発行

文献概要

臨床報告

内頸動脈狭窄症に併発した網膜中心動静脈閉塞症の1例

著者: 野間謙晴1 竹田欣史1 加藤倫子2

所属機関: 1公立三次中央病院眼科 2広島大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1641 - P.1645

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 68歳男性の左眼に視力低下が突発し,その翌日に受診した。矯正視力は右1.0,左0.02であった。左眼には網膜全面に網膜出血があり,後極部網膜が白濁していた。蛍光眼底造影検査で,網膜動脈への高度の流入遅延と網膜内循環時間の遅延があった。網膜中心動静脈閉塞症と診断し,眼球マッサージ,ウロキナーゼとプロスタグランディンE1の点滴静注,星状神経節ブロックを行った。眼底所見と網膜循環は急速に改善し,7週後に視力が0.6に回復した。治療中に行った磁気共鳴血管造影magneticresonance anglography (MRA)で,両側の内頸動脈が高度に狭窄していた。本症例の網膜中心動静脈閉塞症は,頸動脈病変からの塞栓によると推定された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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