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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科55巻9号

2001年09月発行

文献概要

臨床報告

裂孔原性網膜剥離術後の黄斑部残存網膜剥離

著者: 萩村徳一1 飯田知弘1 須藤勝也1 岸章治1

所属機関: 1群馬大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1647 - P.1654

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 経強膜的に手術を行った裂孔原性網膜剥離15眼を,光干渉断層計(OCT)で検索した。全例が検眼鏡的に復位していた。術後1か月の時点で7眼(47%)に網膜剥離が残存していた。うち4眼では黄斑部に限局し,3眼では黄斑部から周辺に広がっていた。術中の気体注入は,残存網膜剥離とは無関係であった。これら残存網膜剥離は経時的に消失したが,1眼では12か月後にも黄斑部に剥離が残っていた。術後1か月のOCTによる検索で,術前に後部硝子体剥離があった10眼中3眼(30%)に残存網膜剥離があった。術前に後部硝子体剥離がなかった5眼では,4眼(80%)に残存網膜剥離があった。検眼鏡的に復位していても,OCTで検索すると高率に網膜剥離が黄斑部に残存すること,これが術後の視力不良の一因であること,これが術前に後部硝子体剥離がない眼に生じやすいことが結論される。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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