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臨床報告
文献概要
眼内レンズ挿入術後に発症した細菌性眼内炎15例15眼に対して硝子体手術を行い,その視力転帰,臨床像,術後合併症を病歴記録に基づいて検討した。術直前の視力は12眼(80%)が手動弁以下であった。眼内炎は術後1日から19日で発症し,10眼(67%)が4日以内に発症した。最終視力は0から1.0であり,10眼(67%)が0.5以上であった。後嚢破損が6眼(40%)にあり,術後視力が不良な傾向であった。起炎菌は8眼(53%)で検出され、腸球菌とα—Streptococcusによる各1例で光覚が失われた。術後の網膜剥離が4眼にあり,3眼は再手術で復位し,1眼は本人の希望で手術を行わなかった。以上の結果から,眼内レンズ挿入術後の細菌性眼内炎に対して硝子体手術は有効であると結論される。
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