icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科56巻1号

2002年01月発行

文献概要

臨床報告

ステロイド療法が有効であったacute zonal occult outer retinopathy(AZOOR)の1例

著者: 松本泰明1 福島伊知郎1 松原孝1 近藤未佳1 福地俊雄1 田上伸子1 松村美代1 天津寿2

所属機関: 1関西医科大学眼看科学教室 2大阪府済生会中津病院眼科

ページ範囲:P.63 - P.67

文献購入ページに移動
 16歳の女性が2か月前から左眼上方視野欠損を自覚して受診した。矯正視力は両眼とも1.2であり,左眼硝子体中に細胞1+と鼻下側動脈の軽い狭細化があった。視野検査で盲点の拡大と耳側から鼻側上方に連なる視野欠損があった。フルオレセインとインドシアニングリーンによる蛍光眼底造影で異常はなかった。ERGではa波とb波に振幅の低下があり,EOGでは基準電位が正常で,左眼に軽度の反応低下があった。血液,髄液,頭部MRIに異常はなかった。以上の所見からacute zonal occultouter retinopathy (AZOOR)と診断した。副腎皮質ステロイド薬の大墨漸減療法で翌口から症状が改善し,投与37日目には絶対暗点が消失した。本症にステロイド薬の投与が視野の改善に有効である可能性を示す症例である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?