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睫毛乱生症に続発した角膜アミロイドーシス
著者: 佐藤肇1 今野慎一郎1
所属機関: 1東北大学眼科
ページ範囲:P.1436 - P.1436
文献購入ページに移動 症例は,49歳女性。左眼の角膜混濁の増大のために近医を受診し,精査のため東北大学眼科に紹介された。左眼視力は0.01(矯正不能)で,角膜下鼻側を中心に乳白色で半透明の膠様の隆起物を多数認め,その周囲の実質は混濁していた。瞳孔領の実質浅層には,種類の異なる角膜混濁がみられた。8時方向から血管の侵入を認めた。右眼の角膜に病的所見は認めなかった。既往歴として,左眼は5年前に観葉植物による外傷がある。また,4年ほど前から睫毛乱生があり,前医で睫毛の抜去を受けていた。
左眼は下眼瞼の睫毛乱生があり,1,2本の睫毛が角膜に接触していた。その接触部位に膠様滴状角膜変性症に類似した病変が認められた。右眼には睫毛乱生はみられなかった。以上から睫毛乱生症に続発した角膜アミロイドーシスと診断した。左眼は,高度近視であり視力予後不良であることと患者が積極的治療を望まなかったため,定期的な睫毛の抜去で経過をみているが,現在まで病変の拡大傾向はない。
左眼は下眼瞼の睫毛乱生があり,1,2本の睫毛が角膜に接触していた。その接触部位に膠様滴状角膜変性症に類似した病変が認められた。右眼には睫毛乱生はみられなかった。以上から睫毛乱生症に続発した角膜アミロイドーシスと診断した。左眼は,高度近視であり視力予後不良であることと患者が積極的治療を望まなかったため,定期的な睫毛の抜去で経過をみているが,現在まで病変の拡大傾向はない。
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