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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科56巻10号

2002年09月発行

文献概要

臨床報告

網膜色素変性に伴う嚢胞様黄斑浮腫と硝子体手術

著者: 玉井洋1 和田裕子1 阿部俊明1 玉井信1

所属機関: 1東北大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1443 - P.1446

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 31歳女性が左眼の網膜色素変性の疑いで受診した。矯正視力は右1.2,左0.5であり,両眼の網膜色素上皮が粗で,網膜血管の狭窄化があった。左眼に著明な嚢胞様黄斑浮腫があった。両眼の網膜色素変性と診断した。17か月後に左眼視力が0.3に低下した。光干渉断層計(OCT)の所見から,硝子体による網膜への牽引が黄斑浮腫の悪化要因であると考えた。硝子体手術を行い,人工的に後部硝子体を剥離し,SF6で硝子体を置換した。内境界膜剥離は行わなかった。術後黄斑浮腫は軽快し,視力0.5に改善したが,手術の4か月後に再び0.3に低下し,現在に至っている。網膜色素変性に併発した嚢胞様黄斑浮腫が,硝子体手術によって硝子体牽引が解除されても,必ずしも永続的に軽快しないことを本症例は示している。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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