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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科56巻10号

2002年09月発行

文献概要

連載 他科との連携

他科との連携により救われた命

著者: 石川均1

所属機関: 1北里大学医学部眼科

ページ範囲:P.1462 - P.1463

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 大学病院とは全科そろって最高の医療を提供する場であると来院される方は思われるであろう。当然その通りである。ところが問題も多い。日常の診察では各科は独立しており横のつながりはあまりなく,依頼は1分遅れると翌日になるといった小回りの利かぬ点が多いのも事実である。さらに学内の会議では手術枠の取り合い,研究室の場所をめぐって議論することもしばしばあり,私自身はあまりよい思いはないと言っても過言ではなかった。その嫌な思い出は入局時にさかのぼる。
 入局した当時,受持ちの患者さんの手術が延期になることがしばしばあった。入院して手術前日の夜,麻酔科の診察が終了すると血糖値が高い,不整脈が頻発しており手術前に心エコーをと言われる。ところが外来通院時に内科に相談し,血糖コントロールは限界です,心臓の具合も眼科手術に耐えられないほど悪くはありませんと許可をもらっている。板ばさみになり,患者には叱られ,大学とはなんて融通がきかない,やりにくい病院なんだとしばしば感じていた。もちろん,そのような嫌な思い出ばかりではない。他科の協力で助かったことも多々ある。さらに近年では医療もサービス業といった風潮が強くなり,さらにこちらも徐々に年をとり受持ちの数は減り,同時に同級生や後輩が各科のチーフや医局長となり無理なお願いも比較的スムーズに聞いてもらえるようになった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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