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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科56巻10号

2002年09月発行

文献概要

臨床報告

肥厚した増殖膜を有する増殖糖尿病網膜症に対する双手法硝子体手術

著者: 今村裕1 植木麻理1 南政宏1 佐藤文平1 池田恒彦1

所属機関: 1大阪医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.1479 - P.1483

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 両眼とも活動性の高い肥厚した増殖膜を有する未治療の増殖糖尿病網膜症に対して硝子体手術を施行した。症例は61歳女性。両眼とも眼底後極部を中心に広範囲に肥厚した線維血管性増殖膜を認め,膜分割は困難な状況だった。4ポート法にて助手に眼内照明を保持させ,膜分層にて増殖膜を一塊として切開,除去した。増殖膜処理後に液体パーフルオロカーボンに網膜を平坦化させ,眼内汎網膜光凝固術を施行した。術後,網膜は復位し,術後13か月の時点で両眼とも矯正視力は眼前手動弁から0.1に改善した。高度に肥厚した増殖膜を有する症例では,双手法により膜を一塊として分層する方法が有用と考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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