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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科56巻11号

2002年10月発行

文献概要

連載 眼科手術のテクニック・148

PMMA IOL挿入で術中・術後合併症を少なくする切開法

著者: 山岸和矢1

所属機関: 1ひらかた山岸眼科

ページ範囲:P.1534 - P.1536

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はじめに
 白内障手術は,手技と手術器械の進歩により術中合併症は以前に比べ格段に少なくなり,そして安全な手術となった。術式は超音波乳化吸引術が大多数を占め,眼内レンズはfoldable IOLが多数を占めるようになり,小切開化により手術はより安全になった。今後もfoldable IOLの割合は増加すると考えられるが,PMMA IOLもその実証済みの安全性,耐久性,光学部のグリスニングの少なさ,グレアとゴーストが少なく優れた解像力などにより,現状においても十分な挿入理由が存在する。筆者は,foldable IOLの現在確認できる安全寿命は15〜20年であるので,平均寿命80歳以上の長寿国日本では70歳以下はPMMA IOLを第一選択としている。安全上の理由で,長期間にわたり眼内に存在する若年者には当然PMMA IOLを挿入している。何十年も先のことであるが,筆者が引退してから自分の手術に予想外の合併症が発生するのを見たくないからである。
 また最近,白内障手術の医療経済性悪化のためかPMMAが見直され,再びPMMA IOLを使用する術者も多い。切開創が大きいため術中の前房安定が悪いこと,そして術後の切開部の平坦化による強い術後乱視を嫌い,再びfoldable IOLに戻った術者も多い。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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