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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科56巻11号

2002年10月発行

文献概要

臨床報告

視力低下を契機に発見された小児褐色細胞腫の1例

著者: 岩田明子1 江口洋2 塩田洋2 高橋昭良3 安友康二3 石橋広樹4 嵩原裕夫4

所属機関: 1徳島赤十字病院眼科 2徳島大学医学部眼科学教室 3徳島大学医学部小児科学教室 4徳島大学医学部第一外科学教室

ページ範囲:P.1553 - P.1556

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 8歳女児が視力低下と頭痛で受診した。矯正視力は左右とも0.1であった。両眼眼底に出血,軟性白斑,黄斑浮腫,乳頭の発赤・腫脹があった。高血圧眼底であり,血圧は165/115mmHgであった。画像検査で右腎に腫瘤があり,尿中バニリルマンデル酸と血中ノルアドレナリンが高く,臨床的に褐色細胞腫と診断した。副腎を含む腫瘍摘出術後に血圧は正常化し,視力はほとんど正常化し,眼底所見も軽快した。摘出腫瘍の病理組織診断は褐色細胞腫に一致した。小児に高血圧眼底がある場合には,腎性高血圧だけでなく,内分泌性高血圧がその原因になり得ることを示す症例である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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