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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科56巻11号

2002年10月発行

文献概要

臨床報告

高齢者の心因性視覚障害11例

著者: 中川泰典1 木村徹1 木村亘1 横山光伸1 木谷聡1 山村基成1

所属機関: 1木村眼科内科病院

ページ範囲:P.1579 - P.1586

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 当院で心因性視覚障害と診断した60歳以上の11例21眼について,病態の特徴と診断の要点を検討した。視力は0.5以下が19眼(90%),0.1以下が10眼(48%)にあり,求心性視野狭窄が11眼(52%)にあった。年齢は61歳から85歳,平均69.8±7.9歳であった。軽度から中等度の器質的な眼または全身疾患があり,精神的に孤独かつ不安で,1人暮らしで孤立し,経済的に困窮している例が多く,これらが複合して心因性視覚障害が生じたと推定した。診断では,視覚障害に矛盾して瞳孔反応が良好であり,各検査項目が矛盾し,日常生活行動を観察することが有用であった。他覚的な眼症状が検査所見と一致しないときには,高齢者でも心因性視覚障害を疑うべきことと,特に瞳孔反応に注意する必要があると結論される。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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