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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科56巻11号

2002年10月発行

文献概要

臨床報告

嚢性緑内障に対する改良非穿孔性線維柱帯切除術

著者: 竹内篤1 久田佳明1 永田徹也1 喜田有紀1 長谷川修1 近藤寿美代1 山本真之1 中村幸生1 斉藤恭子1 岩城正佳1

所属機関: 1愛知医科大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1595 - P.1599

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 嚢性緑内障(CG)11例12眼に対して改良非穿孔性線維柱帯切除術を行い,原発開放隅角緑内障(POAG)18例25眼の結果と比較した。術後成績は,CG群で21.8±8.7か月後,POAG群で平均21.5±6.9か月後に評価した。薬剤使用中の術前眼圧は,CG群で23.4±5.4mmHg,POAG群で22.4±3.3mmHgであり,術後眼圧は,それぞれ17.0±5.0mmHg,13.4±3.7mmHgで,前者が有意に高かった(p=0.018)。降圧薬を使用しない最終眼圧が14mmHg以下である頻度は,CG群83%,POAG群52.0%で,前者が有意に低かった(p=0.011)。濾過胞形成は,CG群50%,POAG群88%であり,前者が有意に低かった(p=0.019)。本術式は,POAGには有効であるが,CGでの眼圧下降は不十分であった。嚢性緑内障では,偽落屑物質が沈着する残存線維柱帯での房水流出抵抗が大きいことが推定される。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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