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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科56巻11号

2002年10月発行

文献概要

臨床報告

後部硝子体剥離に伴う裂孔原性網膜剥離の手術成績—一次的硝子体手術と強膜内陥術の比較

著者: 川﨑史朗12 山西茂喜1 上甲武志1 川村肇1 大橋裕一1

所属機関: 1愛媛大学医学部眼科学教室 2南松山病院眼科

ページ範囲:P.1611 - P.1616

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 過去3年間に,後部硝子体剥離を伴う裂孔原性網膜剥離60眼に手術を行い,術後3か月以上の経過を観察した。黄斑円孔,巨大裂孔,外傷,増殖硝子体網膜症が関係する症例は除外した。うち35眼には初回手術として硝子体手術を行った。年齢は平均63.0±8.6歳である。他の25眼には強膜内陥術を行った。年齢は平均63.4±10.0歳である。初回復位率は,硝子体手術群が33眼(94%),強膜内陥術群が24眼(96%)であり,両群間に有意差はなかった(p>0.99)。平均術後対数視力は,硝子体手術群が0.32±0.41,強膜内陥術群が0.23±0.32であり,両群間に有意差はなかった(p=0.524)。全例を通じて重篤な合併症はなかった。以上の結果から,症例の状態に応じて,初回手術として硝子体手術を選択してよいと結論される。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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